桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□陽炎
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暫く様子を見るも一向にこれといった情報が流れず、ほたるに密命が下る。



【間者として桝屋に付け入り、情報を集めろ】。



そんな中、事態は思わぬ方向に転がってしまう。

一番組が市中偵察中に桝屋にて騒ぎとなり、泳がせていた筈の奴らを捕縛するはめに。


まあ、ある意味では大手柄、なんだがな。


ほたるの機転によって、何とか長州の策略は未然に俺達の手に渡り、これから討ち入り準備が始まるだろう。


すると、俺の背中に僅かな重みが加わる。

振り返れば、苦笑いを浮かべつつも辛そうに表情を歪めるほたる。



『……ごめ……ん……ちょっと、無理……かも………』


「おい、ほたる!」



俺に凭れ掛かるようにして崩れ落ちる彼奴を受け止めると、その身体を抱き上げ部屋へと運んだ。




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