桜恋唄 番外編 〜その壱〜

□転寝
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「あれ、ほたるじゃん。帰ってたのか」



池田屋に討ち入りに入った際、不覚にも負傷してしまったオレは巡察に出る事も出来ずに暇を持て余していた。

気分転換に中庭の方にでも行ってみようと廊下を進むオレの目に、ここ数日屯所を空けていた彼奴の姿が映る。



「そんなとこで、何やってんの?」



後ろからぽんっとその肩を叩く。



「って、え!?」



ぐらりと身体が傾き、オレは慌てて抱き起こした。



「悪い、大丈夫か!?ちょっと力強かったかも……て、何だ、寝てんのかよ……」



すやすやと気持ち良さそうに寝息を立てるほたる。



まあ、無理もないよな……。

此奴、あの後も休む暇なく動いてたし。




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