桜恋唄 番外編 〜その壱〜
□仮の姿
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「いや、それにしても、何でお前分かったんだよ?」
夕飯が終わり、それぞれの部屋へ続く廊下を進む途中で、俺はほたるに声を掛ける。
『うん?何が?』
ほたるが振り向き、首を傾げた。
「千鶴ちゃんの事だよ、どう見ても女には見えなかったぜ?」
『ああ、あれね。うーん、何でって言われてもなぁ……。雰囲気とか動作とか、何となく、こう……』
「ふーん。俺には全然そんな感じしなかったんだけどな」
『まぁ、新八さんは、それくらいの方が新八さんらしいよ?』
そんな事を言いながら、ほたるは笑った。