桜恋唄 〜その壱〜

□第二話
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

────広間に入ってきた私を射竦める、厳しい視線。



「おはよう。夕べは良く眠れた?」


「寝心地は、あんまり良くなかったです……」


「ふうん。さっき僕が声を掛けた時には君、全然起きてくれなかったんだけど?」


「…………」



ふ、不覚……!!

愕然とする私を見て斎藤さんが呆れたように溜め息を吐く。



「揶揄われているだけだ。総司はあんたの部屋になど行っちゃいない」



……………………。



無言で沖田さんを見やると、にやにやと笑みを浮かべたまま茶化すような口調で言う。



「もう少し君の反応を見たかったんだけどな。一君も酷いよね、勝手にバラすなんてさ」



……酷いのは斎藤さんじゃなくて、沖田さんの方だと思いますけど……?



『総司、いい加減にしなよ!ごめんね?』


「あ、いえ……」



躊躇いがちに返事をする。




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