桜恋唄 〜その壱〜
□第四話
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………………………。
「ぷっ……あは、あははははは」
お腹を抱えて笑いだす総司。
「……何も、笑う事ないじゃないですか……」
「一君相手に【殺しちゃうかも】なんて不安になれる君は、文句なしに凄いよ。最高!」
千鶴ちゃんは複雑そうな顔をして、ぶつぶつと何か言っている。
『でも、此処で千鶴ちゃんの腕前を示しておけば、外出の件も前向きに考えられるんじゃない?どうしても、って言うなら峰打ちでも良いし。ね?一君』
「ああ。構わぬ」
少々悩んでいたみたいだけど、やがて顔を上げ、刀の刃を上に向け直すと構えの体勢に入った。
「……宜しくお願いします!」
行きます!という掛け声と共に、千鶴ちゃんが大きく踏み込む。
無防備な一君に、峰を向けたままの刀が触れたと思ったその瞬間────。