桜恋唄 〜その壱〜
□第七話
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引き戸が開いたのはそんな時だった。
現れた近藤さんが朗々とした声を張り上げる。
「会津藩から正式な要請が下った。只今より、我ら新選組は総員出陣の準備を開始する! 」
おお、と歓喜の声が広間に響いた。
「遂に会津藩も、我らの働きをお認め下さったのだなぁ」
号令を掛けた近藤さん自身も、何だかとても嬉しそうだ。
浮き足立つ皆とは対照的に、土方さんは苦い顔をしている。
「はしゃいでる暇はねえんだ。てめえらも、とっとと準備しやがれ」
どうやら長州兵達は既に布陣を完了しているらしい。
「ったく……。てめえの尻に火がついてから、俺らを召喚しても後手だろうがよ」
土方さんは吐き捨てるように愚痴を零した。