桜恋唄 〜その壱〜
□第七話
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「沖田君と藤堂君は、屯所で待機して下さい。 不服でしょうが、私もご一緒しますので」
山南さんは軽く左腕を擦って目を伏せた。
「君達の負傷が癒えていないように、私の腕も思うように動きませんから」
…………。
そういう事を言われると凄く反応に困ると思う。
だけど……。
「オレだって別に大した怪我じゃないんだけど。近藤さん達が過保護過ぎるんだって」
平助君は何も聞かなかったかのように、ぶつぶつと不満を口にする。
そして原田さんが、何言ってんだ、傷口に薬塗られて悲鳴上げてたろ、と平助君を揶揄う。
「うわ、そういう事言う!?左之さんは武士の情けとかないの!?」
……つまるところ、平助君の怪我はやはり完治していないらしい。