桜恋唄 〜その壱〜

□第八話
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

新選組が蛤御門へと辿り着いた時────。


激しい戦闘を予想していた俺達は目の前の光景に拍子抜けする。



『遅かった、か……』



蛤御門には金属の弾が撃ち込まれたようで、あちこちに傷が刻まれていた。

御門の周囲には負傷者も倒れていて、辺りには焼け焦げたような臭いまで漂っている。


どうやら既に戦闘は終わってしまったらしい 。

情報を集めてくると言って数人の対士達が、あちこちに散開する。


はあ、と局長は大きな溜め息を吐いた。



「しかし……。天子様の御所に討ち入るなど、長州は一体何を考えているのだ」


「長州は尊王派のはずなんだがなぁ……」



源さんも同調して首を傾げる。


天皇を何より敬っているはずの長州が、何故天皇の住む御所へ攻撃をしたのか。


何にせよこの現状は、理解し難いものだった。




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