桜恋唄 〜その壱〜

□第九話
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「その羽織は新選組だな。相変わらず野暮な風体をしている」



揶揄うような言葉に、隊士達の怒気が益々高まった。



「あの夜も池田屋に乗り込んできたかと思えば、今日もまた戦場で手柄探しとは……田舎侍にはまだ餌が足りんと見える。……いや、貴様らは【侍】ですらなかったな」


「……お前が池田屋にいた凄腕とやらか。しかし、随分と安い挑発をするもんだな」



副長は厳しい眼差しを向けたまま、凍り付くような冷笑を浮かべていた。


────まさか、こんな所で会うなんて。


その様子を黙って見ていた俺は、副長の横に並び出るとまっすぐ前を見据え、彼と向き合った。




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