桜恋唄 〜その壱〜

□第九話
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『……お久しぶりですね、風間さん』


「ほう……。貴様は如月と言ったか」



副長が驚いて俺を見るが、大丈夫、と小さく返し、徐々に彼との距離を詰めていく。



『覚えていて下さったとは、光栄です。出来れば此方としては、二度とお会いしたくはなかったのですが』


「お前こそ、忘れたのか?次に会った時は、容赦はせん────。そう言ったはずだが」



正面に立った俺の首筋に、ぴたりと剣先が宛がわれる。

後ろで副長が刀の柄に手を掛ける音がした。



『我々にも成すべき事がありますので。あなたがその気なら、此方もそれ相応の対応をさせて頂くまでです。今更怖いものなどありません』


「度胸だけは認めてやろう。だが────」



すっと刀が引かれれば鋭い痛みが走り、赤い雫が流れ落ちて筋を作る。




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