姫の楽譜

□登園
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「おとやん、出発するよ〜」

玄関からおとやんに声を掛けると元気な返事と大きな足音が廊下に響く

本当におとやんは朝から元気だよね

「嶺ちゃんおまたせ!」

「髪の毛跳ねてると男前が台無しだぞ〜」

ぐしゃっとおとやんの頭を撫でてアホ毛みたいになってる寝癖を誤魔化す

「え?はねてるの?」

あまりにも必死に髪の毛を撫で付けるもんだから僕はおとやんの頭を撫でてあげた

「もう大丈夫。早く自転車のるよ、おとやん」

うん!と自転車の方におとやんが走っていくのを追いかける

自転車の横で僕の方に両手を広げるおとやんを抱き上げて後ろの座席に乗せる

最近食べる量が増えてるからか、おとやんが少し重く感じた

少しずつだけど大きくなってるんだね

お兄さん、嬉しいな

「それじゃあ、行くよ〜」

ペダルを踏み込むとおとやんは拳を上に突き上げる

「しゅっぱつしんこう!」

何でこの子はこんなにも可愛いんだろう
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