二万感謝企画
□01.
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十代目が野球馬鹿と電話している間、ダイナマイトをカスタマイズしていたら、ぽと、と弧を描いて、紙ヒコーキが俺の足元に落下した。あ、と言う声に顔を起こせばアホ女の腕が俺に向かって伸びていた。
「何やってんだよ、アホ女」
「…紙ヒコーキ飛ばしてるんですよ。」
見てわからないんですか、と小馬鹿にした様に笑ってから、それより、と付けたして、アホ女っていうの止めて下さい、ハルには三浦ハルってちゃんとした名前があるんです、と聞き飽きた台詞を放った。俺はそれを無視して、だから何で紙ヒコーキなんだよ、と問うた。
ああ、と手を叩くと、近くまで寄って来て、紙ヒコーキを拾うと、練習です、と再度飛ばすポーズを取った。練習って何だ。またアホ女のことだからガキに混ざって紙ヒコーキ大会にでも出るのだろうか。
「ハルのキモチがヒコーキに乗って届きます様にっておまじないの練習です」
またくだらねぇこと始めたのか。まじないだのなんだのとどうして女はそうくだんねぇ物が好きなのか俺にはさっぱりわかんねぇ。
「十代目に変な念送ってんじゃねぇよ」
「変な念って何ですか!」
「十分変だろうが!」
変じゃないですし、ツナさんに害も何も与えたりしませんよ、と膨れっ面を向けてアホ女は俺の額に紙ヒコーキを押し付けてきた。
「変な念じゃなくて、ハルの愛ですっ」
【紙ヒコーキ】
(それにハルは獄寺さんに紙ヒコーキを飛ばすんですっ)