二万感謝企画

□02.
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雲雀さんは怖い人だ、とボスやボスの学校の人たちは言うけれど、私は雲雀さんはすごく優しい人だ、と思う。あったかい感じがして、すごく。

(すごく、何一?)

幸せにも似た感じが胸の中で蠢く。その心を知りたい、のに。立入禁止、とテープを張られたみたいにその感情の真意に近付くことすら出来ない。

(それは、僕の感情だ)

骸様が、行ってはいけない、と私を止める。犬や千種を大切に思う気持ちも、骸様と器を共有した時にシンクロしたものだ。それは構わない、けれど。雲雀君への想いだけはクローム、おまえにやるわけにはいかないんだ、と優しい声音で骸様は囁いた。

だったら、これは、恋慕なのだろうか。私は雲雀さんに恋しているのだろうか。雲雀さんはボスみたいに優しくて、骸様みたいに頼れる存在で。私は、雲雀さんを一?

(クローム、それだけは赦しませんよ)

骸様の声が響く。雲雀さんの顔が頭に浮かぶ。胸がきゅう、ってなって、骸様と雲雀さんはいつもこんな痛みを互いに感じているのかしら。

「雲雀、さん」

【立入禁止】


(それは、僕のモノで、君のモノじゃない。)



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