short
□つながり
1ページ/3ページ
ピピピピピピピピピピ
『…んー…うるさい…』
ピピッ…
あたしはこのときの自分を恨みたい。
『…』
高校受験に無事勝利し、本日からJKこと女子高生としての生活を花々しくスタートさせようとしてた名無しさん。
だからこれは見間違いに違いない、そう信じたい。
『…この時計…入学式の集合時間過ぎてるじゃねーかぁ!!』
この時計は何を言っているのだろうか
この時間が起床時間なわけあるはずがない。ではなぜあたしは今布団から起き上がったのか。
簡単なことだ。寝坊である。
『うおおおおおおおお!!初日からやっちまったぁああああ!!』
いつもの倍以上の俊敏さで着替える。
昨日の夜のうちに遠足前夜並に準備万端にしといて正解だった。
…まぁ寝坊してしまったら意味がないような気がするが…
『着替え終了!朝ごはんはっ…しかたない!お昼は学校の購買で…よしっ』
頭の中で学校に着くまでの計算と計画を練る。
幸い、朝が苦手なあたしは徒歩で行ける学校に進学したため、学校まで15分もあれば着く。
しかしその15分すら惜しい。
『(ダッシュなら10分で着く…はず!) 』
昨日の夜磨いたピカピカのローファーではなく、動きやすい運動靴を選択したあたしを褒めて欲しい。
そしてあたしは勢いよく外に出た。
「…いつも通りねー…」
「うん、やっぱ高校に行ってもこの朝の感じは変わらないね…」
「てかそんな簡単に変わるようなものじゃないでしょ」
「「確かに」」
そんな母と姉弟の会話は聞こえなかったことにした。