遠い空から見守って


□07 離さないで
1ページ/1ページ



空に大きな満月が昇った夜の事。

「はははは」

春美はテレビを見て笑っていた。

「ただいまー」

ガラガラガラと戸が開いて聞き慣れた声が春美に聞こえた。

「おう、おかえり夢近」

「兄貴寒い、暖めて」

家に上がり込むなり、夢近が体を擦り合わせた。

「そうだな、風呂でも沸かすか」

ピーと音がして春美がOKサインを出すと。

「一緒に………入ろ」

消え入りそうな声で夢近が言った。

「なぁ、陽子に何か言われたか?」

春美の言葉に返事は無く、代わりにぎゅっと抱き締められた。

「夢近………んっ」

何が言いたげな春美の口をキスで塞ぐ。

「んっ、ふっ、あっ、ちょ、待て」

「待たない………」

いきなりシャワーを撚ると間髪入れずに押し倒す。

「あっ、はあっ、だから、待てって」

暴れる春美を組み敷き、夢近が首筋に吸い付いた。

「あっ、あっ、あっ、ふっ、うっ、んっ!」

するするするっと一頻り舐め尽くすと、下半身へと向かう。

「あっ!うっ!んあ!」

堪らず春美が腰を浮かした。

「んー、ああ………ああ………あっ!」

一定な早さで暴れる舌に吐息を漏らして感じまくる。

「んっ!ああ!ああ!あーっ!」

やがて、ぐじゅるっと音がして白濁液が飛び散った。

「んふぅ、ああ!」

すかさずぐるりと後ろを取れば、ずっずっずっとアナルにモノが入って行く。

「あーっ!」

ゆっさゆっさとリズミカルに動き出せば甘い声が聞こえて来た。

「んっ、んっ、んっ、あっ!」

「ふっ、ふっ、ふっ、うああ!」

ビュるビュるビュると強かに垂れ流す二人。

「ふーっ………」

そして、シャワーを止めるとお互い向き合って口づけを交わす。

「んふぅ、あ………ん、んっ!」

「ん………あっ、はっ!」

激しく暴れる舌の攻防に、チュツジュルジュルジュルと唾液が零れる。

「んっ、ふっ、ふっ」

聞こえてくる吐息は何度も何度も繰り返されていった。

「ふーっ………」

「ああ、さっぱりした!」

バスローブを羽織り、風呂場から出て来た。

「兄貴………イヤだった?」

「大丈夫だよ」

それを聞いて、夢近が春美に抱き付いた。

「今日は離さないでいて………」

二人だけの夜はまだまだ続くようだった。

「んっ、ふっ、ふっ、ふっ」

「あ、あ、ああ、あーっ!」

それは止む事無く夜に吸い込まれて消えた。

「あい、してる」

しっとりと、口元から言葉が溢れる。

まだまだ夜は、終わりそうに無かった。






次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ