遠い空から見守って


□08 抱いていて
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梅雨の真っ只中な6月の雨の事。

「ひゃー冷たい!」

駆け足で走って家の前に立ちすくむ2つの影があった。

「あー寒い!」

「早く中へ入って」

頑丈そうなドアを開けて中へ入ると、タオルが投げられた。

「しっかり拭いてね」

「びしょびしょだぁー!!」

ガタガタ震える体を必死に堪え、ストーブに手を翳す。

「なあ、夢近」

「何、咲久間」

「陽子さんから聞いた、けど」

言葉を探すように、目がウロウロして直視出来ないでいると。

「本当だよ」

と、夢近の口から言葉が紡げられた。

「信じられない」

咲久間が首を振れば。

「俺だって………」

そっと唇を寄せた。

「夢近」

「イヤ、だった?」

小声で囁けば。

「暖めてあげるからね」

いきなり押し倒された。

「んっ、んっ、んっ、あっ、は」

「むーっ!」

ベッドへ二人してダイブする。

「はっ、はっ、あーっ!」

溜め込んだ息を吐き出せば、あっという間にズボンも脱がされた。

「んっ………んっ」

クチュクチュと卑猥な音を鳴らして涎が垂れ流れる。

「ああ………イイ………イキそう」

「出して良いよ」

その瞬間。

「あっ、あっ、あ!あーっ」

ズビュッと勢い良く白濁液が零れた。

「はぁーぁ………」

一頻り射精が終わるとベッドから起き上がった。

「暖まった?」

「足りない」

「え?」

「もっと、チョウダイ!」

またベッドへ逆戻りしながら、熱々な肉棒を扱いていく。

「んっ、ふっ、うっ、あ」

「スゴい………ナカがトロトロだ」

「あっ!イク!イクぅ」

ビュるビュるビュると膨らんだ肉棒が液体を吐き出せば。

「中出ししてイイ?」

固く締め付けられたモノが一気に射精した。

「ふあああー」

「イイ気持ちだぁ」

ベッドへ身を預ければ、くるりと組み付かれキスの嵐が降ってきた。

「んーっ!」

「んっ、んっ、んっ」

グチュグチュと音を立て口の中で舌が暴れまくった。

「ああ………」

「んんんっ!」

ネチョネチョズルズル唾液が止まらない。

「はぁ、んんっ」

ゴロリと体制を入れ替えて、また舌が暴れ出す。

「抱いて、抱いていて………」

小声で囁けば。

「あい、してるよ」

甘い声が返って来る。

「大好き………」

その日は二人だけの時間。

いつまでもいつまでも止まる事のない喘ぎ声が包み込んでいった。

「んっ、んっ、ん」

「あっ、は」

雨の音はいつしか上がっていた。





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