姫と海賊

□15話
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部屋に戻ると姫は苦しそうに息をして体は汗だくだった。

キッドが舌打ちをしながら服を着替えさせようとすると姫が腕にしがみついた。


『はぁ、はぁ…寒い。体は熱いのにすごく寒いの…』


只事でないのは素人でもわかる
だが対処法がわからない。
船医を呼ぶべきか迷ったが薬がないなら何もできないだろう。


『キッド…さっきはごめんね…汗ありがとう』


自分のことで精一杯のはずなのに何故いま礼を言うのか、キッドは戸惑いながらも悪い気はしなかった。


「これ脱がすぞ」

『え、ダメ…寒いの…』

「わかってる。じっとしてろ」


姫のワンピースを脱がせ何も着ていない状態にさせると自分も着ているものを全て脱いだ。


『ダメ…汗かいてるから…』

「いつもヤッるときもかいてるだろ。いいから黙ってろ」


素肌が当たりキッドの熱が伝わる
前に海に飛び込んだとき以来抱きしめられた記憶なんてない。


『キッド…キッド…』

「なんだ?」


うわ言のように名を呼ばれ自分でも驚くほど優しい声が出た。
キッドの胸に顔を押し付けギュッとしがみついてくる。


この感情はなんだ
無性に抱きしめたくなった。
それだけじゃない心臓が壊れそうだ。


「姫こっち向け」


水分不足で唇が乾いているのに気付き水を含むとゆっくりと口移ししていく。


『もっと…ちょうだい…』


もう一度飲ませると今度は舌を絡めた


『ふぁ…キッド……』

「テメェ、誘ってんのかよ」


いつもはキスなんてしない
したとしてもそれは乱暴で気持ちなんてないただの行為。
それなのに今日は味わうように舌を絡め姫もぎこちなくそれに応える。

唇を離すとトロンとした表情でキッドを煽る。
様子を見ながらも姫の胸に触れると胸を揉む。


『ひゃっ!あっ、あん…』


いつもと全然違う声
キッドは触りながらも内心戸惑っていた。


『あっ、キッド…ダメ……んっ』

「気持ちいいのか?」


自分だけが気持ちよければいいと思っていた。処女を奪った時のように泣き叫んで自分を見てればそれでいいと。


胸の先を舌で転がしながらできる限り優しく揉み刺激しながら、もう片方を下に伸ばすとそこは汗とは違うものでびしょびしょになっていた。


『あぁっ、ダメ…体…へん…』

「お前濡れすぎだろ」


指を入れいいところを探すように動かす。
姫もキッドにこんな風に抱かれるのは初めてで戸惑っていた。


『んッ…あっ、ぁん…キッド…!』


首に腕を回す
まるでキスをせがむように
キッドもそれに応えるようにキスをしながら指は止めない。


『あぁっ!あっ、ダメ…あっ!』


つま先が伸び体が痙攣する


「イッたのか。お前初めてだろ」

『キッド…変なの…すごく気持ちいい…』


姫の口からそんな言葉が聞けるなんて、キッドはもう我慢できなかった。
自分のモノを取り出すと姫に充がいゆっくり挿入する。


『あぁっ!んっ、あぁ…ん!』

「クソッ、なんだこりゃ」


中は熱く濡れているのにキツく締め付ける。
いつもは体も拒否しようとするのに今日は受け入れるようにソレを包み込む。



『キッド…ぁん!すごい…あぁっ!』

「もっと俺の名を呼べ」


腰の動きが早くなり姫はキッドにしがみつく。キッドも応えるように抱きしめ耳元で囁く。


『キッド、キッド…!気持ちいい!』

「クッ…今日はなんなんだッ!」

『キッドも…名前呼んで…!』



いつもの涙とは違う甘えるような表情と声にキッドは自分を見失いそうになった。


「姫ッ!姫…俺だけを見てろッ!」

『キッド!あっ、もぅダメ…またッ!』

「姫…出すぞ…ッ!」





姫を腕枕しながら考える
自分がこんな風に女と寝たのは初めてかもしれないと。
熱のせいとはいえ素直になりすぎた姫をなんて表現すればいいのかずっとモヤモヤしている。


" たまには優しくしてやればいいだろう "


キラーの言葉が頭をよぎる


「くだらねェ」


熱も下がり気持ちよさそうに寝息を立てる姫に触れるだけのキスをしてこの感情は考えないようにした。
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