遙の本棚6
□縁日
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昔から変わらない望美の好きなもの
夏バテ知らずで元気にはしゃいでるのは俺が居るからだと思いたい
俺たちは夏祭りの縁日に来ていた
二人で
この時代がどうかは知らないが確か江戸時代は武士が縁日に出かける事はないって何かで知っていた
あいつらも気をきかせてくれたんだと思う。譲すら行ってらっしゃいと言っていたから
自分はいつも望美の側に居るから縁日くらいはと考えたんだろう
実際に二人っきりだ
「何か欲しいものでもあるのか?何か探してるみたいだけど」
「ん〜、あるにはあるんだけどね。」
「なんだ?はっきりしないな望美にしては」
「探し物が無いからね…」
縁日でも見てると次第に理解してくる望美の欲しいもの
石だ
なんの石かは分からないが石を探している
しかも真剣に
「プレゼントか?」
「…そうだよ」
金づちで打たれた気分だ
まさか望美の探している石がプレゼントだなんて
「…で、なんの石を探してるんだ?」
「……サードニクス」
緋縞瑪瑙?
「そう、将臣くんの守護石」
どう表現したらいいだろう
嬉しいのを通り越してしまった
「私には懐中時計って御守りがあるけど将臣くんには私はなんにもそういうもの贈ってないから…せめて御守り石位なら持っていても邪魔にならないかなって…」