遙の本棚6

□眠れない夜
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まったく嫌になる
本当にどうしてくれる

「…」

恋人となって初めての二人きり

隣で寝てるのは幼なじみから格上げされた望美

少し緊張感てやつを持って欲しい俺だって男なんだぞ

そこまで無防備にされるとなかなかに手が出せない

仕方ないから二組ある敷布を自分のぶんとして少し離して眠ろうとしていたら寝ていた望美がいきなり抱きついてきた

南に向かってるとはいえ、まだまだ寒いだから分かるけど

これじゃあ生殺しだ

一組の敷布に同じ抱き枕状態でおれは動けなかった

仕方ない…

「望美、望美!」

「まさおみくん…?」

「苦しいから離れろ!」

「嫌だ…」

「なんにも心配することはねえよ逆になるだけだから」

望美に抱き抱えられるのも悪くないが、どうせなら抱き抱えたい

明日の朝は早いけど仕方ない
眠れぬ夜でも幸せな夜だから
慣れるまで我慢できるかな俺…

襲うチャンスはいくらでもあるからまあ今日くらいはいいさ

望美明日はお前が眠れない夜になるかもな

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