Novel
□11月9日
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朝からやけに機嫌がいいその人物は綺麗にラッピングされた箱を手にしていた。
「九郎、Happy Birth Day!」
「は、はっぴぃばぁすでぃ??」
聞き慣れない言葉に九郎は顔をしかめ。
「なんだそのはっぴぃなんとやらは?」
「誕生日おめでとうって意味ですよ」
「あ…今日は俺の誕生日だったか」
弁慶のその言葉に初めて今日が自分の誕生日だったという事に気付く。
「えぇ、愛しい君の誕生日です」
「わ、わざわざすまない。その…ありがとう」
さらりと言う弁慶に、相変わらず恥ずかしい奴だと思いつつ
感謝の言葉を口にした。
「ふふ、他ならぬ君の誕生日ですからね。望美さん達の世界ではプレゼントとケーキを用意して
お祝いの宴をするそうですよ」
「そうか。この箱はそのぷれぜんとというやつか?」
「はい。開けてみてください」
「あぁ」
九郎はお祝いの言葉と共に渡された箱を興味深く見てから中身を取り出した。
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