Short stories

□ありきたりな非日常風景
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狙撃手

ある満月の夜、殺し屋がある男の後を追っていた。

数日前、殺し屋はその男の殺害を依頼された。

殺し屋は狙撃のプロで、その腕前は百発百中、今まで殺しに失敗したことは一度もなかった。

その日もいつものように終わらせられると殺し屋は言い聞かせた。

 男が人気の少ない通りに差し掛かったら狙いを定める。

しかし、今回殺し屋はそれが敵わなかった。

「だめだ・・・俺には出来ない・・・シャール、たった一人の友よ・・・。」

殺し屋カリストは目に涙を溜め、震えた声で嘆いた。

そして、彼の瞳から涙がこぼれたその時、

「カリスト、何故俺を殺さない?今がチャンスだろ!」

シャールが叫んだ。

「シャール、お前、気づいていたのか・・・だったら逃げろ!俺は一時でもお前を殺そうとしたんだ。けど、できるわけなかった!!どうにか依頼主には殺したことにしておくから、お前はすぐこの町を出ろ!!!」

「逃げるものか!俺だって今までいつ誰に殺されてもおかしくないことをたくさんしてきた。ここで逃げても俺はまた命を狙われる。どうせ死ぬならお前に殺されたいんだ!友ならわかるだろ?」

「・・・わかった。俺がお前の立場でも同じことを言っていた。」

「そうか・・・ありがとう。」

カリストは涙でかすんで狙いが定まらない中、震える手でシャールに銃口を向けた。

「またな・・・。」

バーン・・・・・・。

刹那の沈黙。その後、シャールは倒れた。

「ああ、またすぐ会えるさ。」


カリストはシャールの元へ行き、脈を確認した。
即死だったようだ。

彼はシャールの懐にあった短刀をとりだし、首に思いっきり刃を当て掻っ切った。
 

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