捧げもの
□Prison of soul
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はあ、まったくもう…。
カガリも人使いが荒いよ。
こんなにたくさん注文しといて、全部僕に取りにいかせるんだもんな。
僕が文句言ったら
「わたしは女だからな。力仕事は男の仕事だろ!」
だって…。
普段は、女だからって馬鹿にするな!
とか言ってるくせにさ…。
こういう時だけ女をアピールするんだもんな。
はぁ。
まあいいや。早くしないとまたカガリに怒られるし、さっさ済ませちゃおう。
確かこの道を通れば早く行けるはずだよね。
キラは表通りから裏通りに入っていく。
うわ、相変わらず人がいないな。
変な人達にからまれたりしたら嫌だし、急いで通り抜けよう。
キラはやや早足で通り抜けることにした。
「いやっ、離してっ!」
ん?なんだ?
「離してくださいっ!」
見れば一人の少女が数人のガラの悪い男達にからまれていた。
ど、どうしよう。誰か…。
キラはキョロキョロと辺りをみまわしてみるが他に人の姿は見えない。
う…。
これってやっぱり僕が助けるしかないよね…。
はぁ、近道なんてするもんじゃないなぁ。
キラはぶつぶつ言いながらも男達に近付いていく。