幻水

□贖罪の向こう 第二章
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「実はの、他国から兄上を婿に迎えたいと、いくつか要請が来ておるのじゃ…。」

え?

今、なんて?

結婚?

…誰が?

殿下が…?

「―――リナ。」

「ルセリナ!」

「あっ!?も、申し訳ありませ陛下!いかがなさいましたか?」

「むー、どうしたのじゃ、ルセリナ?ぼっーとして。お主らしくないぞ?」

「本当に申し訳ありません!」

「まあよい。してルセリナ、もう一度言うぞ。こたびの申し出に対するお主の意見を聞かせてくれ。」

え、どうしてわたしに聞くのだろう…。まさか、わたしの気持ちに気付いているの?

「あの、なぜわたしに…?」
「お主はわらわの特別行政官であろう。ならば、意見を聞くのは当然と思うがの?」

良かった。気付かれてない。

「あ、そうですね…。」

やはり、なんか変じゃの。

「むー、本当にどうしたのじゃ、ルセリナ?疲れでも溜まっておるのか?そうなら、休みをとらすが?」

「い、いえ。大丈夫です、陛下。」

「しかしのー。お主は無理をするからのぉ。」
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