幻水
□贖罪の向こう 第三章
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ルセリナはふらふらとしたとした足取りで部屋に戻っていった。
そして部屋に入るなりベッドに沈み込んだ。
殿下が結婚?
わたしは、どうしたらいいの…?
わたしはどうしたいのかしら…。
わからない。
何も考えたくない。
何も考えられないっ!
殿下………。
ルセリナはの頭の中は完全にグチャグチャになっていた。
「ルセリナさん、ちょっといいですかぁ〜?」
部屋の外から声が聞こえてきた。
「ミアキスさん?」
「ピンポ〜ン、当たりですぅ!」
…いったい何をしに来たのかしら?
でも、…今はとても人に会う気分じゃない。
ルセリナは一人になりたかった。
「あの、ミアキスさん…。申し訳ありませんが、今は…。」
「え〜、そんなこと言わずに入れてくださいよ〜。」
「ミアキスさん、お願いします…。今は…。」
「…王子のことですよね?」
ッ!?
「ルセリナさん、どうか中に入れてくれませんか?」
先ほどまでとは違い、真剣な声で話すミアキス。
……………。
カチャンと鍵が外れる音がした。
「ルセリナさん、入りますよ。」
ミアキスが扉を開け部屋に入っていく。