幻水

□贖罪の向こう 第三章
1ページ/3ページ

ルセリナはふらふらとしたとした足取りで部屋に戻っていった。

そして部屋に入るなりベッドに沈み込んだ。

殿下が結婚?

わたしは、どうしたらいいの…?

わたしはどうしたいのかしら…。

わからない。

何も考えたくない。

何も考えられないっ!

殿下………。

ルセリナはの頭の中は完全にグチャグチャになっていた。

「ルセリナさん、ちょっといいですかぁ〜?」

部屋の外から声が聞こえてきた。

「ミアキスさん?」

「ピンポ〜ン、当たりですぅ!」

…いったい何をしに来たのかしら?

でも、…今はとても人に会う気分じゃない。

ルセリナは一人になりたかった。

「あの、ミアキスさん…。申し訳ありませんが、今は…。」

「え〜、そんなこと言わずに入れてくださいよ〜。」

「ミアキスさん、お願いします…。今は…。」

「…王子のことですよね?」

ッ!?

「ルセリナさん、どうか中に入れてくれませんか?」

先ほどまでとは違い、真剣な声で話すミアキス。

……………。

カチャンと鍵が外れる音がした。

「ルセリナさん、入りますよ。」

ミアキスが扉を開け部屋に入っていく。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ