SO3
□DNA 中編
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わたしとフェイトが姉弟…。
リーベルにその衝撃の事実を告げられた後、マリアはどうしてもその事実を受け止めることができずに、研究所のデータベースを一晩中漁り続けた。
しかし、二人が姉弟であることを否定する事実は見つからず、リーベルのいった通り二人が姉弟であることを証明する事実ばかりが見つかった。
ふぅ…いったいどうすればいいのよ…。
コンコン…
どうすることもできずに頭を抱えていると、マリアの部屋のドアがノックされた。
「誰?」
いったい誰よ、こんな時に…。今は誰とも会いたくないっていうのに…。
「あっ、僕だけど。今ちょっと時間いいかな?」
っ!?
部屋の外から聞こえてきた声は、今マリアがもっとも会いたくない人物のものだった。
「マリア、いるんだろ?ちょっと話があるんだけどさ。」
どうして…どうしてよりによってこんな時に来るのよ…。
いったいフェイトにどう接したらいいの…?
普段であればフェイトが訪ねてきてくれることは何よりも嬉しいことでだ。しかし真実を知った今となっては、フェイトに会うのは辛かった。
「どうぞ、開いてるわよ。」
それでも部屋に入れないわけにもいかず、重々しく口を開きフェイトを部屋に招き入れる。
フェイトは部屋に入り椅子に腰を掛けると、じっとマリアの方に視線を向けてくる。マリアはその視線を直視することができなかった。
どうしよう…フェイトの顔を見ることができない。いったい何を話せばいいのよ…。
「マリアどうかした?」
ダメ…頭の中が真っ白で何も思い付かないわ…。
「マリア?」
「えっ?な、何かしら?」
マリアが頭の中を整理するのに集中していると、それを不審に思ったのか、フェイトが話かけてきた。
マリアはフェイトの問いに思わず目を泳がせてしまう。普段のマリアならまず考えられないことだ。
「何ってボーッとしてただろ?マリアがそうなるなんて珍しいね。」
「ええ、ごめんなさい。昨夜は遅くまで調べ事をしていてあまり眠れなかったのよ。」
嘘を言っているわけではないので、この言い訳はすらすらと口から出てきた。
「そうなんだ。夜更かしのし過ぎは身体に良くないから、あまり無理しないほうがいいって。」