空の軌跡
□親友
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「ミュラー少佐!オリヴァルト王子をお見掛けになりませんでしたか?」
ミュラーが城内を歩き回っていると、一人の兵士が慌てた様子でミュラーに尋ねてきた。
「いや、見ていないが…。」
あの馬鹿、また城を抜け出したのか。
「そうですか…。てっきりミュラー少佐のところだと思ったのですが…。」
その兵士はさも当てが外れて残念と言わんばかりに大きく溜め息を吐く。
なぜ、みんなあいつがいなくなると俺のところにいると思うんだ…?
今までもオリビエがいなくなることは何度もあったが、その度に城の兵士達は真っ先にミュラーのところへ来るのだった。
ミュラーにはそのことが疑問でしょうがなかった。
「ああ、いったいどこにいるんだろう…。」
はぁ、仕方がない…。
「あいつの行きそうな場所には心当たりがある。オレが連れ戻してくるから仕事に戻っていてくれ。」
その兵士があまりにも困った表情を浮かべるので、ミュラーは仕方なく自分が探してくることにした。
「本当ですか!?それではよろしくお願いします!」