空の軌跡

□マドリガル
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わたしは寂しかった。

私にはお母様もお父様もいない。

お祖母さまはとても優しかったけれど、女王の仕事が忙しいから、あまりかまってもらえなかった。

そして、私は王女という立場上、気軽に友達をつくることもできず、普通の子供のように学校に通うことも出来なかった。

だから、わたしは憧れた。

家族というものに。

友達に。

そして学園生活というものに…。

ある日とうとう我慢しきれなくなって、わたしはわがままを言って学園に通わせてもらうことになった。

そこの近くには昔、お世話になったことがある孤児院があった。

そう、わたしはここで院長のテレサさんと子供達の関係を見て、家族というものに猛烈に憧れたのだった。

血のつながりこそなかったけれど、そこには確かに家族の絆があった。

テレサさんや子供達はわたしのことも本当の家族のように扱ってくれた。

そして、学園でもジルという親友が出来た。

わたしは家族も、友達も、学園生活もすべて手に入れたのだ。

本当に満ち足りた毎日だった。

これ以上なにも望むことなどないと思っていた。

恋を知るまでは…。
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