空の軌跡AS
□空の軌跡AS 第1章
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「あら、ティータちゃん。どうしたの、そんなに息を切らせて。」
「それより、おじいちゃんはっ!?」
不安に駆られ、いつものティータらしからぬ様子で返答を促す。
「えっと、ラッセル博士なら今日はきていないわよ?」
しかし返ってきたのは期待していた答えとは違うものだった。
「そうですか…。」
「あっ、ちょっとティータちゃん!?」
ティータの様子がどこかおかしいのを感じとり、受付が呼び止めてが、ティータはそれが聞こえていないようにそのままフラフラと外に出ていった。
おじいちゃん、どこに行っちゃったの…?
ふぇっ…
ううん、ここで泣いてちゃダメ。それにまだ事件に巻き込まれたって決まったわけじゃないし、がんばらなくっちゃ!
ティータは泣きそうになるのをこらえ、ラッセルを探しにいくことにした。
でも、おじいちゃんどこにいるんだろう…。
仮に事件に巻き込まれていたとしたら、どこにいるか検討もつかないが、単に出かけているだけならラッセルの行きそうな場所を探せば見つかるはず
そう判断して、ラッセルの行きそうな場所を考えていく。
おじいちゃんが行きそうなところといえば…
中央工房でしょ…、えっとそれから、それから…
どこだろー…?
おじいちゃん、行動範囲が狭いからなぁ…。
あっ、マオおばあちゃんのところがあった!
おじいちゃんとマオおばあちゃんは幼なじみだから、おじいちゃん、たまに遊びに行ってたはずだし。
って、ダメだぁ…。
マオおばあちゃんのところは今朝までわたしたちがいたんだった…。
あぅぅ、まったく思い付かないよぉ…。
……………。
そうだ…。クローゼお姉ちゃんとエステルお姉ちゃんに相談しよう。
ラッセルの行方にまるで検討がつかず、途方にくれかかったところで、二人の頼りになるお姉ちゃんのことを思いだし、相談することにした。
「モチのロンよ!お姉ちゃんに任せときなさい!」
「あ、ありがとうございますっ!」
ティータが自宅に戻って事情を話すと、エステルは胸をドンと叩いて得意気にそう答えた。
エステルのその頼もしさにティータはさっきまでの不安な様子が消え去り、心が明るくなったようだった。