SO3
□DNA 前編
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「いくつかしら?」
「あっ、俺は19です!」
19個!?
物凄い甘党ね…。
そんなに砂糖を入れて本当に大丈夫なのかしら…?
とりあえず、もうコーヒーとはいえないわね…。
マリアは驚きながらも、味覚は人それぞれだと、納得して砂糖を次々と投入していく。
「はい、おまたせ。」
「あ、わざわざすみません。」
マリアは先ほど淹れたコーヒーをリーベルに渡すが、リーベルはいっこうにそれを飲む気配がない。
「リーベル…?」
「あ、す、すみません!ボーッとしてしまって…!」
「それは別にいいんだけど…。それで…?何かわたしに用があるんじゃないの?」
「あ、は、はい…。」
リーベルは何か話があるようだが、どこか聞き辛そうな様子だ。
しばらく黙って待っているとリーベルはやがておもむろに口を開きはじめた。
「リーダーは…。」
「え?」
「リーダーは艦を降りてからどうするつもりですか?」
「わたし?わたしは…そうね…。」
マリアは少し考えるような素振りをしてから自分の考えを話し始める。
「わたしのことを誰も知らない場所で、静かに暮らしたいと思ってるの。」