SO3
□DNA 中編
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「それもそうね。心配してくれてありがとう。でも、毎晩ゲームで夜更かししてる人には言われたくないわね。」
「うっ…。しょうがないだろ?今度の最新版のはほんとにすごいんだからさ。そうだ!マリアもやってみなって。」
「遠慮しとくわ。」
「チェッ。絶対面白いのに。」
良かった…。なんとか話題を逸らせたようね。それに今、わたしたち自然な感じで話せてる。
表情にはださないが、マリアは心の中で安堵の息を吐く。
「それでフェイト、何かわたしに用があったんじゃなかったのかしら?」
「あっと、そうだった。えっとさ、マリア。聞きたいことがあるんだけどさ…。」
マリアが用件を尋ねるとフェイトはどこか言い辛そうな表情を浮かべている。
「聞きたいこと?何かしら?」
「いや、えっとマリアはさ…。」
「?」
わたしが何…?
「何よはっきりしないわね。」
「えっと…マリアはさ、艦を降りてからどうするのかなって思って。」
「わたし?そうね、わたしは静かな場所で静かに暮らしていきたいと思ってるわ。」
マリアはフェイトの問いに落ち着いた様子で答えるが、その実内心ではかなり動揺していた。
先ほどリーベルから聞かれたこととまったく同じ質問…マリアのほんとの願いはフェイトと一緒に暮らすこと。しかし今フェイトにそれを言うことはできない。
フェイトと自分が姉弟だと知った今となってはその願いを口に出すことはできなかった。
フェイトに自分達が姉弟であることを告げれば、あるいは自分達は二人で暮らしていけるのかもしれない…。
でもそれはマリアの望む暮らしでは決してない。たとえフェイトと一緒に暮らせるとしてもそれは姉弟として…。
胸に秘めている気持ちを隠してフェイトと暮らし続けていくことなどマリアには耐えられないことだった。
だからマリアは「フェイトと一緒に」ということを伏せてフェイトにそう答えた。
「静かな場所で暮らしたいか。そうだね、確かに僕ももう騒がしいのはゴメンかな。でもそうなるとクリフは大変だろうね。」
「そうね。でも、クォークのリーダーをわたしに譲って今まで楽していた分、これから頑張ってもらいましょう。」
「はは、相変わらず容赦ないね。」
「ふふ、そうかしら?」