空の軌跡
□Esperance 第三話
2ページ/6ページ
もっとも、オリビエは無理矢理くっついてきてるだけなのだが…。
「う〜ん、じゃあ聞いてもらおうかな。ありがとね、クローゼ、ジル、ハンス!それじゃあ話すわよ?」
クローゼ、ジル、ハンスはコクンと頷いた。
「ふっ、エステルくん。誰か忘れてないかい?」
唯一名前を呼ばれなかったオリビエが前髪をかきあげながら言う。
「実はね、今日もいつも通りヴァレリア湖で釣りをしてたのよ。」
「ふんふん、それで?」
きれいにオリビエの話を無視するエステルとジル。
「あれっ、おーいみんなー?」
「それでね、今日はそこに見慣れない奴が立ってたのよ。」
「それって男か?女か?」
ハンスもオリビエに構わず続いていく。
「あのー、ボクもいるんですけど…。」
「男よ。」
「へえ、どんな人だったんですか?」
「ああ…クローゼくんまで…。ひどいわっ。」
「ん〜、たぶん歳はあたしと同じくらいかな?」
「で、見た目は?」
なおもオリビエを完全に無視して喋り続けるエステル。
ジルとハンスもまったく気にする様子はない。
唯一クローゼだけが少し困ったような表情を浮かべている。