乱世
□熱
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熱い湯で身を清め、俺は気を引き締め風呂場を出た。外はもう随分深く暗い。
―・・・もう寝たよな。
結構長湯をしたので、きっと政宗は今頃夢の中だろう。
俺は起こさない様に気配を消してそっと部屋に向かった。
―・・・
(・・・ん?)
部屋に近づくと微かに聞こえてくる人の声。
だがこの先の部屋には政宗しかいない。
部下も夜中は払ってあるから尚更だ。
俺は首を傾げながらもそのまま部屋に向かった。
部屋に着くと矢張り声は政宗のものだった。
『・・・っく・・・はぁッ、は・・・ァ・・・』
(政宗?・・・まさかッ!!!)
俺は勢いよく、政宗の部屋の襖を開けた。
政宗の元気な様子にすっかり治ったのだとばかり思っていたが、本当はまだ躰の痛みを引きずっているのかもしれない。
俺達に心配をかけさせない様に―・・・
「政宗ッ―!!!」
「?!///」
「―・・・・・・ぇ?///」
襖を開くと、政宗は真っ赤な布団の上にペタンと座っていた。