新宿歌舞伎町パロ

□夜の華
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新宿歌舞伎町
其処は男女の妖しい気配が満ち溢れる空間
そして
欲望渦巻く、駆け引きの場


−・・・
そんな荒んだ街角にひっそりと軒を連ねたのは一軒の小料理屋。

化粧の濃い女が来るでもなし、ブランド物をこれ見よがしに付けた男が来るでもなし。
此処は新宿歌舞伎町に極々僅かに生息する一般人が訪れる所。

名前を『小料理屋 猿飛』

此処の亭主の腕は確からしく、男のくせに売りはお袋の味だそうだ。

名前は猿飛佐助。
この店の名前はこの若干22歳の男の名字から取られている。
飄々としながらも面倒見が良いためか、愚痴を零しに来る客が多いらしい。
そこに板前として働いているのは20歳になったばかりの男、名前を伊達政宗と言う。
政宗は佐助の従兄にあたり、開店する際に佐助に半ば強引に雇われたのだった。
佐助は政宗にその腕が必要不可欠だと懇願して雇ったのだが、その裏、政宗の容姿端麗な顔を宣伝の一つに雇った事は政宗には知らせていない事実だ。

政宗は確かに綺麗な顔をしていた。
東北生まれの白い肌は切れ長の目によく映えており、赤い唇を更に際立たせている。
決して可愛いわけではないが、佐助直伝営業スマイルのために、客の反応は常に可愛いと零すようなものだった。


そうして今日もそっと店が開店する。
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