親政学パロ

□愛妻弁当(完)
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早弁中の幸村と会ったのは偶々一人で屋上に行ったときだった。
屋上には幸村と佐助だけがいた。
と言っても、今は授業中なのでそれは当たり前と言えば当たり前なのだが・・・
「何やってんだオメェ等。」
俺はゆっくりと歩み寄ると、佐助の隣に座り込んだ。
「むぐッ!!!政宗殿ー!!!」
「やっ♪政宗こそどうしたのさ?授業は?」
幸村は飯を口一杯に頬張りながら俺を見上げてきた。
その隣では佐助が缶ジュースのカラをベコベコ凹ませて遊んでいた。
「a〜・・・面倒くさくなって抜けてきた。・・・で、オメェは今から弁当か?」
俺は呆れながら幸村を見ると、実に嬉しそうに微笑んできた。
「ぅむッ!!!佐助の手作り弁当は何よりも美味いのでな!!!」
「いやぁ〜、照れるねぇ♪」
お互いニコニコしながら微笑まれると、見ているこっちが恥ずかしい。
だが、ホンの少しだけ・・・本当に少しだけ羨ましい。
元親に弁当なんて作ったこともないし、そんなこっ恥ずかしい事は絶対出来ない気がする。
「・・・ha、恥ずかしい奴等だぜ。」
「何言ってんのさ。いつも親ちゃんとラブラブしてんのは何処の誰?!お母さんは毎日悲しくって!!!」
「おぉお!!!そう言えば元親殿はいないのでござるか?」
「別に、いつも一緒って訳じゃねぇよ。」
「そうでござるか?」
幸村は首を横に傾けると、頭に「?」を並べて考え出しているようだった。
「休み時間とか昼休みン時ぐらいだろ。クラス違うンだしよ。」
俺がそう言うと、幸村はポンと手を打って頷いた。
「なるほど、そうであったか!!!では尚更、元親殿の弁当を作ったほうが良いのではないのでござるか?」
「・・・ha?」
「うむうむ。僅かな時間しか学校で会えないのであれば尚のこと、元親殿は寂しい思いをしておられるはず!!!」
「ぃ、いや・・・そんな大げさな事ァねぇだろぅよ。」
「これは明日から作らねばならぬな、政宗殿!!!」
「作るかッ!!!///ンなオメェ等みてぇな恥ずかしい真似出来っかよ。」
俺は顔が紅くなっていくのを感じ、二人から顔を背けた。
すると、すぐ隣から笑い声が聞こえてきたので、目だけで睨んで佐助を見た。
「くくっ・・・あっはっはっは!!!旦那旦那、政宗にそんな事言っちゃダメ。親ちゃんの手に落ちただけでも奇跡的だったんだから♪ねぇ政宗vV」
「知るかッ///」
「でも、そうだなぁ・・・。親ちゃん、最近栄養偏るような間食してるみたいだし、お弁当持って行った方がいーんじゃないの?どうせ朝と夜は作ってあげてんでしょ?」
「・・・まぁ///」
「だったら、弁当の一つや二つ簡単じゃない?親ちゃんも死ぬほど喜ぶと思うよ?」
「ha、それこそ付け上がりそうじゃねぇか。ただでさえ欝陶しいッてのに。」
「ふぅん?♪−・・・ま、そーゆう事にしといてあげるvV」
佐助はそっぽを向いていた政宗の顎を掴み、自分の方を向かせると、政宗の頬を人差し指でぷにっと差した。
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