親政学パロ

□勉強 (完)
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「−・・・ここのYがWと入れ替わって・・・。」
政宗は部屋で元親の勉強の相手を先ほどからしていた。
テレビの前にあるテーブルに隣同士で座りあい、頭を抱える元親に政宗は至って丁寧に教えていたのだが・・・。
「Zz・・・。」
「・・・はぁ。元親、寝てんのか?」
軽く肩を揺すってみたが、元親は起こる様子もなく気持ち良さそうに寝ていた。
「ッたく仕方ねぇな。」
当分起きそうもない元親に、今日はここ迄と諦め、政宗はジュースを買いに行こうと立ち上がろうとした。
「−・・・ン・・・ぉい?」
「a?」
元親を振り返ると、ひどく眠たそうな目で俺を見、俺の服の袖を引っ張っていた。
「何処行くんだよ・・・。勉強は?」
「・・・寝てただろオメェ。」
「あ? 寝てねぇよ・・・。」
目をガシガシと擦りながら、元親はもう一度ノートに向き直った。
それを見て、俺も仕方なくまた教え始める。




「ンで、ここの−・・・チカ?」
「zZ・・・。」
「はぁああ・・・ッたく、本当に仕方ねぇな。」
またしてもグッスリと寝ている元親を、今度こそ起こさないように政宗はそっと元親から離れると、ジュースを買いに部屋を出ていった。



部屋に帰ると、元親は相も変わらずそのままの形で深い眠りに入っているようだった。
その隣に、先程と同じように政宗は腰を下ろすと、ジュースの口を開けようと手をかけた。
しかしそれは開けられる事無く、行きなり飛び込んできた元親の手によって奪い取られてしまった。
「・・・。」
「・・・起きてたのかよ。」
「何処行ってたンだ。」
元親は寝起きが悪かったのか、酷く不機嫌な顔で俺を睨んできた。
流石に、機嫌の悪い元親に睨まれると若干身がくすむが、それを誤魔化す様に政宗はテレビのチャンネルを変えた。
「何処ッて、ソレ買いにそこまで行っただけだ。」
「−・・・タバコは?」
「a? あぁ、一服してきた。」
「匂いが違う。・・・佐助が吸ってんのだろ、ソレ。」
よく解るな、と思いつつ、話を続けた。
「あー、だから佐助に偶々会ったんだよ。−・・・で、一服してけッて言われて自販機ン所で二人で吸ってた訳。OK?」
「−・・・気に入らねぇ。」
そう言うと、元親は政宗の腰に腕を回し、政宗の胸の辺りに頭をグリグリと押しつけてきた。
「俺が頑張って勉強してんのによぉ・・・。」
「ha、寝てたじゃねぇかよオメェは。」
甘えるような元親に、まだ寝呆けていることを悟ると、政宗はクスクスと笑いながら元親の髪を撫でた。
「オメェは俺のモンだろ、全部。ぜーんぶ俺ンだ。」
「くく、そりゃ良かったな?」
「ん、良かった・・・。」
ぎゅっと政宗を抱き締めてきた元親に、そっと腕を回すと、元親の耳元で優しく囁いた。
「もう寝ろよ、チカ?」
「・・・。」
「ちーか?」
若干空いた隙間から元親の顔を覗き込めば、元親は既にグッスリと寝ていた。
「くっくっく、甘えたがりのデッケー餓鬼もいたもんだな。」
そう言うと、政宗は元親が自分にするようにぎゅっと抱き締め、瞳を閉じた。



明日こそは最後まで教えてやらねぇと、宿題間に合わねぇな。
なんて思ったが、その思いも挫けてしまいそうな自分に苦笑するしかなかった。



完−
 

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