親政学パロ

□屋上 (完・微裏)
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「なぁ、元親。」
政宗はタオルを肩に掛け、バスルームから戻ってくると、炬燵に顎を乗せながらテレビを見ている元親の隣に座った。
「ん?」
元親は顔を上げると、若干右にずれ政宗を炬燵に入れた。
「・・・今日、満月なんだってよ。クラスの奴等が月見酒がどうのとか話してたぜ?」
「ふーん・・・。」
元親はチラリと政宗を見たが、すぐに視線をテレビに戻した。
「・・・。」
それを面白くなさそうに政宗は頬を膨らませると、炬燵から出て、コートを羽織り玄関に足を向けた。
「おい、政宗・・・何処行くんだ?」
その様子に元親も炬燵から出て立ち上がる。
「−・・・ジュース買いに。」
「コート着てか?」
「寒ぃもん。」
元親は諦めたようにため息を吐いた。
「・・・俺も行く。」
元親もコートを羽織ると、政宗の手を引いた。
「ぃ・・・いいッて!!自販機なんてすぐそこだろ?!」
「・・・月、見に行くつもりなんだろ?」
「・・・違ぅ・・・。」
政宗はムスッとそっぽを向いたが、明らかに嘘だと解り、元親は心の中でため息を吐いた。
「風呂上がりだろ、オメェ。・・・あんまし外、出したくねぇんだよ。」
「だってよ・・・。」
「風邪とか引いちまいそうだし、それに髪・・・、もっとちゃんと拭け?」
そう言うと、政宗が適当に放ったタオルを拾い上げ、髪をガシガシと拭いた。
「ゥ・・・も、う大丈夫だッ///」
「ドライヤーで乾かしてから行くからな。」
「嫌だ。」
「あン?何でだよ。髪なんてすぐに乾くだろ、乾かしてからの方が俺が安心すンだよ。」
「最近、天気変わりやすいし−・・・いぃじゃねぇか別に髪ぐれぇ。」
「・・・ッたく、解ったよ。−・・・でも長居はしねぇからな?」
「・・・ぉ、おぅ//」
政宗と元親は、手を絡めて寮の屋上に向かった。
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