親政学パロ

□愛しい
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学校の帰り道、とっくに冬に突入しているのに雪の降る気配は微塵も感じられない。
ただ木枯らしがぴゅーっと俺達の肩を震わせていた。

「・・・ッチ、何で雪降らねぇんだよ。」
若干前方を歩く政宗は、積もった木の葉の絨毯を荒々しく蹴ながら歩いていく。
その姿に俺は微笑みながら後を追ってゆっくり歩く。
「おい、政宗。ンな歩き方してっと転ぶぞ?」
冷やかしたような口調に、笑い声を含める。
「ha、こんな木の葉ごときに俺が転ぶとでも−ッ?!!」
政宗の体が後ろに急に傾き、慌てて俺は政宗の体を庇う様に後ろから抱きとめた。
「−・・・木の葉ごときに・・・なぁ?」
にやりと笑うと、政宗はバツの悪そうに顔を赤らめてそっぽを向いた。
そんなコイツが本当に愛しくて、ぎゅっと抱き締めた。

「オメェが居るから転ばねぇ、だろ?///」
後ろを振り向いてきた政宗は、恥ずかしさを滲ませながらも強気な視線を俺に向けてきた。

「そうだな・・・、抱き締められたい時は存分に転びそうになってくれて構わないぜ?」
「ンな事しなくても抱きついてくるくせに。」
「抱き締められてぇくせにvV」
「煩ぇ///」
体を離すと、俺は政宗の隣に並んだ。
そして空を見上げる。

「・・・今晩あたり、降るんじゃねぇか?」
笑って隣の政宗を見ると、同じく空を見上げて白い息をふぅっと吐き出していた。
「積もるといいな。」
そう言って肩を震わせるものだから、政宗の手袋もしていない左手を取って、握ったまま俺の右ポケットに突っ込んだ。
「別に・・・寒くねぇよ///」
膨れて、照れて赤くなっている頬にキスを落として、視線を合わせた。
「俺が寒ぃんだよ。 いいだろ?」
「・・・仕方ねぇな、特別に貸してやる///」
「サンキュ。」
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