親政学パロ

□愛する貴方に
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「ったく、何処ほっつき歩いてんだよ元親・・・。」

政宗は苛立たしげに携帯を閉じた。



今日は生徒会があった為、俺は一人早く寮に帰宅した。
いつも通り、夕食の準備や風呂だし等をゆったりとしながら元親の帰りを待っていたが、どうにも遅い。
心配になって携帯を開いてみれば、6時に今から帰るというメールが入っていたが、今の時刻は既に8時。
学校から寮まで大体15分程しかかからないというのに、本当に何処をほっつき歩いているのだろうか?

俺は冷えてしまったスープを温めようとコンロに手を伸ばしたが、それを止め玄関に足を向けた。
用もないのに元親に電話をかけるのはちょっと気恥ずかしい。
少しだけ外に出て探してみようと決め、パーカーを羽織った。
そしてドアノブに手を掛けようとした時に、それが勢い良く開いた。

「ただいまー!!!」
「ッゥわぁ?!」
「ぉ?どっか行くのか政宗?」
「・・・ぃ、いや・・・玄関をちょっと・・・掃除すっかなって・・・な・・・?」
「そっかvV てかよ、掃除はいいから部屋に入って入ってvV」
「an?」
元親に背中を押されるように部屋に逆戻りすると、ソファーに座った政宗の目の前で元親は一つの大きな紙袋を見せた。
「コレ、政宗にと思って買ってきたんだぜvV」
大きな紙袋からそっと出されたそれを見て、政宗は目を見張った。
「なっ///」
色とりどりの可愛らしい花がブーケになって綺麗にラッピングされていた。
それを心底嬉しそうに元親は政宗に差し出した。
「・・・帰りによ、移動花屋ってのを見つけてな?『彼女に如何ですか』て言われちまってよ。そー言われっと何か嬉しくて、どれにしよっかなって考え始めたら止まんなくなっちまって。 どれもオメェに似合う気ぃするし、オメェの方がずっともっと可愛くて綺麗だとも思うしよぉ。」
「・・・///」
政宗は香を吸い込むように顔を花に埋めた。


甘い、独特の香りがふわりと漂う。
「そんで、店員にあれこれ相談してたらこんな時間になっちまった。」
元親は苦笑すると、嬉しそうに花を抱えている政宗をそっと、花が潰れないように一緒に抱き締めた。

「しまいにゃ店員の兄ちゃんがよぉ、泣きながら『いー話だ!!!』とか言って、スゲーおまけして包んでくれてな、こんなデッカイ花束になっちまった♪」
してやったり、といった顔つきの元親に若干呆れながらも、紅くなった頬をそのままに政宗はぽてっと元親の胸に額を落とした。

「ったく、どんだけおまけしてもらったんだよバーカ。」
「ぇーと・・・殆ど、デス。」
「−・・・悩みすぎ。」
「仕方ねぇだろ? オメェが綺麗で可愛くて・・・甘い香りすんだもんよ? オメェよりいい花なんて、そうそう見つかるかよ。」
「・・・Thank you、嬉しい、ぜ・・・ちーかvV」
にっこり笑うと、元親の頬に照れながらも軽くキスをした。
「〜ッ///俺も政宗にプレゼント出来て嬉しい!!!」


何気ない、連ねられているような変わりのない日常に、こんなに色を付けてくれる愛しい人。
そんな元親が、何より大切で愛しくて・・・
嗚呼。
なんて言えば良いんだろう、元親。
今はただ・・・、腕に抱かれて鼓動を伝えるのが精一杯だ。



完−・・・
 

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