親政BSR

□いつきは腹グロ(完)
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 今日はオラが想いを寄せている伊達のあんちゃんに会いに行く日だべ。
あれから伊達のあんちゃんから、沢山のお金や野菜が送られてきて、村の者達もみーんな元気になった。
だからせめてものお礼として、伊達のあんちゃんにオラ達の作った米を渡しに行くんだ!!!


−・・・と言うのは、村の者達への口実で、本当は伊達のあんちゃんに会いに行きたいだけだども、それは秘密だ。


あぁ・・・vV もしも伊達のあんちゃんに・・・
『礼は米よりいつき、オメェが欲しい』
ッて言われたらどーすっべぇえ!!!///
きゃー!!! いつき、恥ずかしーぃvV

ッシャァア!!! 今日こそは決めるべ、いつき!!!




−・・・そう思って出てきたのに・・・。
いつきは通された部屋の襖を開いて固まった。

「Oh、いつきじゃねぇか。どうした? 何かあったのか??」
「ンだぁ?蝦夷の餓鬼じゃねぇか。」

 部屋には期待どおり、愛しい人・伊達政宗がいた。
しかし、その愛しい人は大嫌いな男に後ろから抱き締められており、ほんの少し顔を紅くしながら男と絡めていた指をそっと放した。
「だ、伊達のあんちゃん・・・その男は・・・何だべ?」
「あぁ・・・コイツは長曾我部元親。 四国を納めてる奴だ。−・・・聞かれて悪い話なら席を外させるぜ?」
政宗はチラリと元親を見ると、元親は眉間に皺を寄せ腕に力を強めたようだった。
「違うべぇ!!!伊達のあんちゃんにとってその男は何だべ?!」
「a?何ッて・・・何でもねぇが??」
「何でもねぇのに抱きつかれてるだか?!」
いつきは元親に指を突き付けると、そう叫んだ。
「あン?」
「オラのあんちゃんからさっさと離れるべ変態!!!」
いきり立ついつきに対し、元親は余裕そうにいつきを見上げる。
「くくっ、誰の何だって?」
にやりと笑うと、腰に回していた両腕を肩の所まで持っていき抱き締め直すと、その肩に顎を乗せた。
「はっはっはぁ、コイツは俺の嫁さんだ。お嬢ちゃんの旦那様にゃぁなれねぇなぁ?」
「なっ///テメェ、小さい子相手に変な事言ってんじゃねぇよ!!!」
「何言ってやがる。最近の餓鬼ァ、オメェ程うぶじゃねぇぞ?」
「ンな訳あるかぁぁああ!!」

いつきはそんなやりとりを聞きながら、武器に力を込めていった。
「・・・おめぇだけは許せねぇだ!!!食らうだぁぁああ、大寒−」
「だぁああ?!!!!やめろいつきぃー!!!部屋壊れンだろ!!!」
政宗は元親を振りほどき、いつきに抱きついた。
「だ、伊達のあんちゃん///」
「−・・・悪かったな、元親が変な事言ってよ?」
優しくそう囁くと、政宗はいつきの顔を伺った。
「き・・・気にしてねぇよ、オラ!!!信じてるべ///」
「a〜・・・ぉ、おう。」
純粋な目で見つめてくるいつきに、流石の政宗も目を逸らして頷いた。

「・・・ッチ、しゃぁねぇなぁ・・・。おい、俺は片倉でも手伝ってくっからよ。・・・ゆっくりさせてやんな。」
優しくほほ笑みかけ、政宗の頭をそっと撫でて立ち上がり、元親はさっさと部屋を後にした。
その後ろ姿を、心なしか政宗は寂しげに見つめた。
何か言いたげな政宗の様子に、いつきが声をかけた。
「伊達のあんちゃん??」
「−・・・ぁ?あぁ・・・ぼぅっとしてた。で、どうしたんだ?」
「そうだ!!!お礼がしたかったんだべ!!!あのな、オラの村で取れた新米を持って来たんだ!!!絶対うまいから食べて欲しいんだ、伊達のあんちゃんにvV」
「そうか、そりゃ楽しみだ。−・・・でもな?余裕があったら少しでも貯えておきな、いつき。・・・いつ、何があるか解んねぇ世の中だ。」
「そ、そうだども・・・」
「貰った米は、うちの皆で有り難く頂くぜ? 部下達も喜ぶだろうよ。 でも、後は気持ちだけ貰えば十分だ。オメェはオメェの村をまず守ンな? それから俺に礼を返してくれりゃぁいいからよ?」
政宗はいつきの頭を撫でながら優しく言い聞かせた。
「あ、ぁりがと///伊達のあんちゃん・・・」

それから、いつきは政宗に村での出来事を楽しげに話し始めた。
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