親政BSR

□もぅ飲まない!!(完)
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家康との同盟を結び終え、そのまま下に降って四国へ来た。
長期で滞在するわけではなく、部下達が久々にどうしても会いたいと言うので仕方なく会いに来たのだ。

「四国のアニキ、きっと驚くでしょうね筆頭!!」
「ah〜?さぁ、どうだか。」
「小十郎様もいらっしゃらないし、今日はアニキの所に泊まってくんですか?」
「オメェ等・・・。むこうだって都合ってもンがあんだろ?それに、泊まってく気なんざねぇよ。」
「ぇえええ!!そ、そぅなんすか・・・。」
「ただでさえ小十郎に心配かけさせてんだ、ゆっくり出来るかよ。」
「そう、スよね。」
「長曾我部の面見て帰る−・・・それでいいだろ?」
「はい、勿論でさ!!」
「んじゃ、急ぐとするか。」




「−・・・。」
「どうしたンすか、筆頭?」
「いや、別に何でもねぇ。」
門まで来て、何となく後悔した。
久々に会う−・・・ただそれだけなのに、何となく会いたくない。
それでも仕方なく門を通り中へ入ると、予想どおり長曾我部の部下が驚いた様子で駆け寄ってきた。
「奥州のッ・・・こりゃ、アニキも喜ぶッてもんだ!!あ、こちらへどうぞ!!」

部下達は広間へ通され、俺は長曾我部の居る部屋に案内された。
徐々に足は重くなり、気持ちまでも落ち着かなかった。
「あの、今丁度一人、客人がいらしてるんですが・・・。」
「なら俺は会わなくてもいい−・・・」
「わぁあああ!!だ、駄目です!!会ってあげて下さいよ伊達の筆頭!!」
「どの道すぐに帰ぇんだ。会った所で話す事なんざねぇしよぉ。」
「た、頼みますよ伊達の筆頭ぉ!!じゃねぇと、アニキに申し訳ねぇ・・・俺、海に投身しますぜ?!!!」
それでも良いのかと詰め寄られ、やはり仕方なく部屋に向かった。

襖の前に行くと、長曾我部の部下はしゃがんで長曾我部に声をかけた。
「アニキ♪お客人がもう一人いらっしゃいましたぜvV」
『あン?今日は随分と賑やかだなぁ。−・・・入ぇりな、客人とやら。』
部下はどうぞ、といって襖を開けた。

嗚呼、本当に入りたくねぇ。

しかし此処まで来て逃げる訳にもいかず、仕方なく開かれた襖に足を入れた。
「なッ−・・・独眼、竜?!!」
「・・・ぁあ。」
そっぽを向いてぶっきら棒にそう返事をした。
「あれ、政宗じゃねぇかよvVなぁんだ、俺に会いたくてこんな所まで来ちまったのかぃ?嬉しいねぇvV」
「−ッ!!」
そのフザケた口調にフザケた言動−・・・俺は視線を声をする方に向けた。
「ほぉら政宗、俺ン所においでvV」
そこには絶対に会いたくない男がいた。

前田慶次。

俺は京都でコイツと2度目に再開した時、散々アホ臭く馬鹿らしい事をぬかされ、危うく襲われかけた。
あの時は小十郎がいたから良かったものの、今はその頼みの小十郎は居ない。
俺は一歩後退しながら前田を睨んだ。
そんな政宗と慶次を、元親は交互に見ると、首を傾けながら慶次に問い掛けた。
「・・・オメェ等、知り合いか?」
「チッチ♪俺たちは、愛って絆で結ばれた恋人同士なのさvV」
その台詞に政宗は寒気と嫌悪が沸き上がってきた。

今日は最低な一日になりそうだ・・・

「ほーら、照れてないで、俺の所に来てくれよハニーvV」
両手を広げて催促する慶次に、身震いがする。

節操がねぇのかコイツは・・・。

政宗はウンザリした顔を元親に向けた。
「−・・・一足先に帰ると部下に伝えてくれ。」
それだけ言ってきびすを返した。

此処に居たら何をされるか解ったものじゃない。

「ッ待て独眼竜ッ−!!」
後ろ襟に何かが引っ掛かる気が一瞬すると、次の瞬間体が宙に舞った。
「ぅああ?!!」
後ろにそのまま引っ張られると、何処かにポスッと体が収まった。
「−・・・折角来たんだ、もう少し顔見せてくれても良いんじゃねぇか、独眼竜?」
「長ッ−・・・曾我部///〜〜ッ勝手に釣り上げてんじゃねぇよ!!」
収まった先は元親の腕の中だった。
政宗は足掻いて元親の腕の中から出た。
しかし、逃げたそこには慶次がおり、政宗は慌てて身を引くと、無意識のうちにそこに居た元親に抱きついた。
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