保健医パロ
□変わりそうな俺の日常
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カタカタとキーボードを叩き、一人で黙々と仕事をこなす。
「・・・」
そんな事は日常の光景で、卒なく毎日こなしているのだが−・・・
「はぁ・・・」
全く集中できない。
今朝の事を思い出すだけで、思いっきりパソコンを投げ付けたい気分になるくらい恥ずかしい。
何で俺がこんなに遊ばれているのか、それを考えると頭も痛い。
それなのに−・・・
視線が鞄に注がれる。
伊達から作ってもらった弁当を早く食べてみたい。
「あー・・・食っちまうかなぁ・・・」
そう呟いたが、学生でもあるまいし早弁なんてそれこそ馬鹿馬鹿しい。
俺は頭を振って再度仕事に周した。
−・・・
そして昼休み
いつも通り、駆け込むように生徒が押し掛けてくる。
「アニキィー!!学食いきましょーぜ!!!」
「先生ーvVご飯食べ行こうーvV」
そして、自分を無視した生徒間の言い争いがいつも通り行なわれる。
その光景にため息を吐き、鞄から弁当を出して生徒に見せた。
「俺、今日弁当なんだわ。悪ぃけど、今日は此処で食うな」
『『−・・・』』
ピタッと生徒達の動きと、けたたましい声が止まる。
「ぇぇええー?!アニキ弁当作ったンすか?!スゲーッす格好いいス!!!」
「見たい見たい!!!」
静かになったと思いきや、更に煩くなった室内で、急かされながら仕方なく弁当の蓋を開けた。
開ける前のこの妙な焦燥は、何だか小学生のようだと内心、苦笑する。
周りの生徒の声も何だか今日は喧しく聞こえなかった。
「・・・へぇ、矢張りスゲェな伊達は」
『『・・・ぇ?』』
「あン?」
またピタッと止まった声と動きに首を傾けた。
「今・・・筆頭の名前、言いやせんでした?」
「筆頭、確かインフルエンザで入院中・・・スよね?」
しまった、と思ったが言ったものは仕方ない。
ここは苦しいが・・・
「あ〜・・・だ、伊達に俺の彼女の弁当ははんぱじゃねぇだろ?」
苦しい・・・よな?
「なんだぁ、驚かさないで下さいよぉアニキ」
「でも筆頭の弁当も食ってみてぇよなぁ・・・vV」
純粋な生徒にホッと肩をおろす。
だがそれも束の間、女子の叫び声のようなもう言葉にならない声が一気に沸き上がった。
「あーもぅ、頼むからオメェ等ゆっくり飯食わしてくれよなぁ」
「アニキィ、さっそく惚気ですかぃvV?」
「学校来る時も行ってきますのチューとかしてんじゃないっすかぁ〜?」
フッと今朝の伊達がフラッシュバックされる。
「ッ〜、別にされても嬉しくねぇよ!!!///」
「え?!彼女にされてンすか?」
「は? え? ぁ、あー・・・いや、俺から・・・俺からしてっけど何か文句あるかぁ!!!///」
・・・一つ嘘をつけば、それはもう数珠なりに連ねられて、俺の昼休みは最低だった。