乱世
□壊れ物
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「オイ?!」
慌てて起き上がらせ、背中を摩る。
それが無意味だとしてもそうせずにはいられなかった。
「・・・はぁッはぁ、アンタ・・・」
「別にアンタを利用しようだの、恩を売ろうだの、ンな事考えてねぇよ。」
「―・・・くっ、ァッ・・・なら・・・なん・・・で」
「無理して喋んな。」
苦しむ男をこれ以上話させない為に、胸に強く抱いた。
「―・・・俺も知りてぇよ。」
何故助けたのか。
何故こんなにアンタがほっとけないのか。
―・・・そしてどのくらい、こうしていたのだろう。
頬の痛みに目を開けると、作り物の様な綺麗な顔が目の前にあり、まだ夢の中かと錯覚した。
「オイ、いい加減起きろよ。」
びょょ〜ンと頬を引っ張られ、漸く意識が覚醒すると、慌てて男の状態を確認した。
「大丈夫かアンタ!!! まだ何処か痛むか?!」
ベタベタと触って確かめるが、勿論外傷がないので意味がない。
「ちょ?!///〜ッもう平気だ!!!」
バタバタと暴れる男を大人しくさせようとドタバタしていれば、部下達が何事かと慌ててやってきた。
「アニキどうしたンで?!」
「アニキー?!」
そして襖をスパーンと開け放し―・・・
「「―・・・お、お邪魔しました///」」
「なッ?!///違ぇ、勘違いすんな!!!///」