乱世
□教育
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「ンなに珍しいか?」
「部屋からあんま出た事無かったし、此処まで来たのも籠だったからな?」
「籠?」
何処から来たかは知らないが、籠で此処までとはかなりの大金だ。
「・・・俺を逃してくれた奴が、此処までは手が出せないだろうってよ。」
「―・・・なる程。」
少し気落ちしたのか、政宗の表情が曇る。
「―・・・猫、呼んでやろうか?」
「ッ―!!!元親、手なずけてたのか?!」
パッと顔を上げた政宗は一気に顔色が明るくなる。
クスッと小さく笑うと、口笛を吹いて猫を呼んだ。
猫は政宗をかなり警戒しているのか、政宗を避ける様に俺に近付いてきた。
「・・・俺嫌われたかな?」
「ン〜・・・大丈夫だろ。」
猫の頭を優しく撫でれば、気持ち良さそうに目を細める。
「ほら、こんな風に触ってみ?」
「ン・・・。」
政宗は恐る恐る猫に手を差し延べた。
―・・・カプッ。
「あ・・・」
「っ痛・・・」
「コラ馬鹿猫!!!」
「ミャァ!!!」
ベシッと頭を叩くと猫は政宗の指を離し、庭に逃げて行った。
「政宗、大丈夫か?!」
「大丈夫・・・だけどやっぱり嫌われた。」
「くくっ・・・、あんま好かれても俺が困るだろ?」
血が滲む中指を優しく口に含み、優しく舌で包んだ。