乱世
□罪
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「―・・・いやぁ、随分頼もしい部下を手に入れたねぇ、チカちゃん?」
何事かと思ったが、声と共に佐助が天井から音もなくおりてきた。
「佐助か。うっかりしてたな、いつから居た?」
「たった今。・・・だから俺様危うく死ぬ所だったよ、本当にさぁ。」
明るくハハハと笑う佐助は、以前から同盟を組んでいる国の忍だ。
よく勝手に茶を飲みに来る気軽な男だ。
「―・・・元親の知り合いか?」
猫が逆毛を立てるように政宗は佐助を睨み見る。
その今までに見た事のない様子に、俺はただ驚くばかりだ。
あの距離から佐助の気配を感じ、的確に狙いを定めた政宗。
刀の使い方はどう考えてもかなりの玄人だった。
「―・・・そうだな、佐助は俺達と同盟を結んでいる国の忍だ。仲良くな、政宗?」
未だ警戒心丸出しの政宗にクスリと笑い頭を撫でた。
「・・・同盟国なら、仕方ねぇ。」
「ん、いい子だ。」
「・・・ん。」
それこそ猫のように目を瞑って気持ち良さそうに微笑む政宗。
心和むとはこの事だ。
「あの〜・・・何か俺様、蚊帳の外?」
苦笑しながらポリポリと頬をかく佐助に俺は勿論と笑顔で答えた。
「酷いチカちゃーん!!!」