乱世
□想い
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元親と初めて会った時、死ねば良いと思った。
戦人は嫌いだ。
俺は何度も戦人を治してきた。
高い金を積まれ、死を思わせる様な痛みと引き換えに何人もの人を治してきた。
―・・・それしか、俺の生きる術がなかったから。
そんな酷い日々を思い返すだけで、今は吐気がする。
だからあの時、元親が一言でも助けを乞えば見捨ててやろうと思っていたのに、あろう事か元親は俺に逃げろと言った。
戦人のくせにッ・・・
そんな見下した思いで元親を見つめていた。
どうせ左目も戦で無くしたと、そう思っていた。
だが聞けば生まれつきだと言う。
眼帯での戦闘の大変さは身をもって知っているため、若干同類意識が生まれたのか、俺は仕方なく助けてやろうと決め、初めて自分から人を治した。