乱世

□友
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高揚し、仄かに赤い目尻に溜る―・・・何とも美しい清らかさに、いつの間にか唇は引き寄せられ、舌で掬っては夢中で飲み込んでいた。


「も、・・・とちかっ??///」
「ン―・・・はぁ、んぅ・・・」
「―・・・俺の事、少しは好き?」

不安そうに小さく呟かれたそれに、俺は唇を離すと政宗の頬を手で包んだ。

「少しじゃない、溢れて海が出来ちまう位、政宗が好きだ。・・・愛してる、勿論一番にな?」
「へ・・・??///・・・で、も・・・アイツは?」

チラッと視線を外した政宗のそれを追えば、其処には幸村と佐助、部下達がいた。

多分、幸村の事を指しているのだろう。

「じゃぁ証拠見せてやる。」

コクッと頷く政宗を確認すると、俺はずっと欲していた唇に喰らい付いた。

息も出来ない程、自然に激しさを増す口付けに、政宗の躰は力を無くし俺に身を任せる。

ほんの少しだけ息を吸わせれば、其処から惜し気もなく溢れる愛液と熱い吐息。

もう無理だとひっかく背中に、漸く離してやれば、足りなそうな顔を向けられた。

「もっとゆっくりがいい・・・///」
「くくっ、・・・でもこれで解っただろ?俺の一番はお前だけ。・・・一番も何も、俺は政宗しか愛してねぇよ?」

そう、こんなに人を愛せるなんて知らなかった。


俺は政宗を抱きかかえると、慶次に向き直った。

「政宗は俺の命だ、・・・絶対に渡せねぇ。」
「―・・・うん、そう言うと思ったよ。」

慶次は何故かクスクス笑いながら俺達を見ていた。

「いやぁ、やっぱ恋っていいモンだねぇ!!!心がさ、洗われるってゆうか、あったかぁく・・・なるっていうか。・・・春風みたいなそんな感じがするよ、アンタ達。」
「―・・・慶次・・・」
「あ!!!ちょっと元親、さっきのアレ、元親の気持ち確かめる為にやっただけだからな?!恋の伝導師が二人をくっつけてあげたわけよ!!!勘違いすんじゃねーぞ?!俺に失恋の二文字はないって事よ!!!」

嬉しそうに笑う慶次に、俺も微笑んだ。

「―・・・有難うな。」
「いいって事よ!!!・・・じゃ、またな。」

「慶次ッ!!!」

政宗が帰ろうとする慶次を引き止めた。

「俺、解った気がする。・・・慶次が言ってた『キュン』てやつ。・・・元親に『一番』て言われた時、キュンて胸が鳴って、ドキドキした。・・・間違ってねぇ?」
「―・・・あぁ、大正解だよ政宗。」
「そっか、有難う慶次!!!またなー!!!」

少し見せた切なそうな表情に、俺は黙って見送る事が精一杯の感謝だと思い、慶次を見送った。

「―・・・不器用な奴だな。」


本当に、いい友人を持ったものだ。
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