乱世
□光
2ページ/2ページ
「戦は痛みしか残らねぇ、傷つけても傷つけられても痛みだけが最後に残る。」
政宗の言う事も解る。
綺麗事じゃない、事実だ。
人を手にかけた者にしか解らない胸の痛みと、虚しさ。
人は―・・・本当にあっけない。
「政宗―・・・」
「戦は避けられねぇのか、本当に。」
「―・・・ごめんな。」
戦は走り出したら止まらない。
戦は感情を伴う。
悲しみや憎しみ―・・・。
戦が長引けば長引く程、激しくなればなる程、人の感情が戦を加速させ大きくさせるのだ。
例え天下が平和を取り戻しても、戦に終りはない。
「っ―・・・馬鹿チカ!!!」
ドンッと突き飛ばされ、俺は畳に手をついた。
政宗は立ち上がり、目に一杯の綺麗な涙を溢れさせながら、俺を睨み見ている。
「―・・・・・・ごめん。」
ただ、謝る事しか出来ない。
戦を止める事は出来ないから・・・。
例え俺の命が危機に晒されようと、止める事なんて出来ない。
それは、この先に見える微かな希望を信じて、愛する人の幸せを祈っての―・・・
そう、
―・・・聖戦だ。
・