乱世

□光
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「戦は痛みしか残らねぇ、傷つけても傷つけられても痛みだけが最後に残る。」
政宗の言う事も解る。
綺麗事じゃない、事実だ。

人を手にかけた者にしか解らない胸の痛みと、虚しさ。

人は―・・・本当にあっけない。

「政宗―・・・」
「戦は避けられねぇのか、本当に。」
「―・・・ごめんな。」

戦は走り出したら止まらない。
戦は感情を伴う。
悲しみや憎しみ―・・・。
戦が長引けば長引く程、激しくなればなる程、人の感情が戦を加速させ大きくさせるのだ。

例え天下が平和を取り戻しても、戦に終りはない。

「っ―・・・馬鹿チカ!!!」

ドンッと突き飛ばされ、俺は畳に手をついた。

政宗は立ち上がり、目に一杯の綺麗な涙を溢れさせながら、俺を睨み見ている。




「―・・・・・・ごめん。」

ただ、謝る事しか出来ない。

戦を止める事は出来ないから・・・。
例え俺の命が危機に晒されようと、止める事なんて出来ない。

それは、この先に見える微かな希望を信じて、愛する人の幸せを祈っての―・・・





そう、

―・・・聖戦だ。









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