新宿歌舞伎町パロ

□夜の華
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開店準備−・・・


「ふぁ〜・・・眠ぃ。」

政宗は夕暮れ時前の歌舞伎町を仕事場に向かってだらだらと歩いていた。

夜とは違い、まだ歌舞伎町は人通りが少なく、皆どこか疲れた顔をしながら歩いている。
政宗もその一人で、寝癖の付いた髪をそのままに眠たそうに歩いていた。

「お疲れ〜、佐助。」
既に店入りしているであろう店主の名前を呼びながらドアを開ける。
「今日もよろしく、政宗。さっそくで悪いけど、着替え終わったらちょっとコッチの食材切っててくれない?今見たらストックなくってさぁ、俺様とした事がうっかり。」
「OK、すぐ来るな。」
政宗は制服の簡単な着物に着替え、サッと襷(タスキ)を締めると、後ろ髪を短く纏めカウンターへ急いだ。


「そう言えばさぁ、昨日来た女の子達、政宗の事しつこく聞いてきて大変だったんだから。そんで、政宗は一杯食べる子が好きって話しておいたから口裏合わせてねvV」
「・・・また俺を出しに売り上げ取ンだな。」
「いやぁ毎月上々で何よりですよぉ♪」
「そういや俺も女に佐助の好み聞かれて、酒の強い女って伝えたっけな。口裏合わせとけよ?」
「あちゃぁ、政宗? 俺様の真似は良くないなぁ。」
「良くねぇって解ってンならやめろよ。」
「・・・てへvV」
「はぁ・・・」
他愛もない会話をしながら、料理の準備を二人で次々にこなして行く。
店が開店すれば細かい料理なんて作っている暇はないのだ。
その為、わざわざ客まで料理を持っていく事は殆ど無く、こちらから客に出向かせるのが中心だ。
しかし未だクレームはきていない。

「佐助、そろそろ時間だぜ?」
「だね。 じゃぁ、暖簾上げよっか!!!」
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