新宿歌舞伎町パロ

□ホストクラブ西海
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「−・・・スゲ。」
「ようこそ、西海へお客様。ご案内させて致します♪」
改めて成実が政宗に向かって挨拶をした。
店の中をざっと見回せば、確かに結構男がいる。
大体6:4位の割合だろうか、矢っ張り若干女の率が高い。

ふと盛り上がるっているテーブルに目を向ければ、楽しそうに酒を煽っている元親が目に入った

・・・なる程、確かに盛り上げ上手と言った所か。

まるで元親の所だけ別世界だ。
それにしても、今日は随分とキッチリしたスーツ姿だ。
ダークグレイのシャツに黒のスーツ、そして白のネクタイをキッチリと締めている。
普段はもっとチャラっとした感じの派手なスーツを着て、ネクタイなど付けずにシャツを肌蹴ているというのに―…

そんな様子の俺を見て成実はニヤニヤと笑った。
「どうりで気合い入ってるわけだよねぇ?」
「・・・an??」
「いえ、こっちの話ですから♪」
言うだけ言ってはぐらかす成実に若干の苛立ちを覚えるも、堪えて成実の案内したテーブルに着いた。

中央の、いかにもVIP席と言わんばかりの所に・・・

大きく非常に柔らかいソファーは居心地は良いが、一人で座るには寂し過ぎる。
そんな意味では居心地は良くはない。
どうせなら端っこの狭いスペースの方が落ち着けるってモンだ。

「今アニキ呼んでくるから、ちょーっとまっててね♪」
「あっ・・・!!!・・・いや、別にいい。」
俺は慌てて成実の腕を掴んだ。
「ほへ??」
「・・・ah〜・・・。楽しそうにしてたし、向こうで働いてた方が金になんだろ?」
「ん〜、でもカード優先だし気にしなくてもいいと思うよ?」

それが、嫌なんだ。
俺の所為で雰囲気壊すとか、迷惑は掛けたくない。
一々そんな事で人間関係を壊すのは面倒だから。

「こーゆー仕事って1日1日がでかいンだろ?俺のせいでNo、1から落ちたなんざゴメンだね」
「うーん−・・・困ったなぁ」

俺がじぃっと成実を見ていると、諦めたのか成実は深くため息を吐いた。

「はぁ・・・。じゃぁ俺がお相手致しましょうか?一人残すなんて勿体ない」
「いいのか?俺じゃ売り上げ取れねぇぜ?」

一人も嫌だが、それはそれで成実に申し訳ないような気がする

「うーん・・・、アンタ見てるとそれでもいっかなーなんて思っちゃうよ。ま、戯言だと思って?」
ニカッと屈託なく笑う成実につられて俺も笑う。

「くくっ、OK? 悪ぃな、付き合わせちまってよ。」
「いーえ。アニキのお気に入りさんと話せるなんて滅多に出来る事じゃないからね。」

元親のお気に入り−・・・

それがどんなモノなのかは知らないが、取り敢えず珍しい事は解った。
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