親政学パロ

□愛しい
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ゆっくり、歩きだす帰り道。
冬が寒くて良かったと、小さく零した言葉を政宗に拾われた。

「冬が暑かったら異常気象だろ。」
呆れながら見上げてくる顔に苦笑して、俺は政宗の耳元に口を寄せた。

「オメェの手を俺のポケットに閉じ込める口実になるから、な?」
ふぅっと冗談半分で熱い息を吹き込んでやれば、面白いように見る見るうちに真っ赤になっていく耳と、頬と、首。

「バカだろ///」
「そうかもな?」
若干早くなった歩きに、口元が緩む。


何気に、二人で歩くにはコツがいる。
政宗の歩幅は俺と比べて小さい。
俺は身長がデカイから勿論歩幅も大きいが、政宗は割りと小さい方だから俺と政宗の歩幅には若干差がある。
だから俺は政宗の歩幅に合わせてゆっくりと歩く。
政宗のほんのちょっと後ろで、政宗を見ながら帰り道を歩いてみたり、隣で政宗が見ているものを探してみたり。
そんな俺に全く気付く様子もなく、いつも政宗は傍らで笑ってくれるから、毎日飽きずに思ッてしまう。


本当に出会えて良かった。

色んな季節が回る、その時にいつもお前が傍に居てくれるだけで幸せだ。

「雪、降ったら・・・一番に足跡つけてぇなぁ。」
「オメェ朝早く起きれねぇだろ?」
「起こしてくれりゃぁ問題ねぇ。」
「毎日素直に起きてくれりゃ問題ねぇのにな?」

寒さが苦手な政宗は、毎朝ベッドから中々出てこない。
「・・・寒ぃもん。」
「雪降ったらもっと寒ぃぞ?」
「じゃぁ暖めろ。」
その言葉に少し不意打ちを食らったが、言った本人はケロッとしているので自覚はないらしい。
どう返そうかと一瞬迷いもしたが、天秤はカタンとすぐに傾いて、俺の口元はにやりと笑う。

「−・・・なんだ、朝からしていいのかよ? なら、冬がどんなに寒くても嫌いになれねぇなぁ。」
「そうゆう意味じゃねぇよ///!!!」
「いいじゃねぇか、心も躰も暖まってよ?」
ポケットに閉じ込めてある手をぎゅっと握った。

「〜ッ/// 起こされる前に起きるからいい!!!」
「じゃぁ早く起きたらキスして起こしてくれよ。 いつも俺がするみてぇに、な?」
「叩き起こして蹴り落としてやる!!!///」
「くくっ、楽しみにしてるぜ?」
「言ってろ!!!」


「−・・・政宗。」
俺は立ち止まった。

「ッ何だよ。」
ムスッとしながらも不思議そうに見上げてくる政宗に、幸せを噛み締めながら微笑んだ。
そしてその唇にそっとキスを落とす。

「雪積もったら、一緒に足跡つけながら歩こうな。」
「・・・あぁ///」


コクッと頷いたのを確認して、再度俺達は歩きだした。
雪の積もった真っ白な道と、二つ並ぶ足跡の平行線を想像しながら。


。・゚・完・゚・。
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